yuuki_yoshino’s diary

ようこそ。自作の詩・随筆・小説・楽曲を置いておきます。

随筆

社会的事実と真実と

肉体の疲労とともに理性の働きが弱まる気がするということを以前にも書いた。体を動かしたり、頭で指令を出すことが難しくなるにつれ、大抵の場合は得体の知れない不安をまねき入れることになる。理性の働きが弱まるのなら、何か幻想的な夢や想像が広がりそ…

愛とは

精神的な危機を迎えている人々の、心強い味方になりたい。身内でない誰かから、必要とされたい。 どうせ金が必要なら、誰かの救いになるような仕事を。 家庭教師も芸術家も、教育者としては同じことなのだ。自らが他人に与える影響について責任を感じずには…

商売としての教育

塾の仕事はいよいよ圧力が強まってきた。 塾というのは何とも恐ろしい空間である。 支配の力関係の最後に糸を引いているのは、ワカランチンの親と学問へ向かおうとしない子供である。大抵の塾や家庭教師は子供が真の学問へ向かっていくことを奨励しはしない。…

桃源郷の白昼夢

子供の頃は、私はよく夢を見た。夢というのは、寝ているときに見るものに限らない。幼稚園や小学校といった権力闘争の場では厳しい現実の前に小手先のやり繰りを強いられた。 だが私は中学3年生の頃に自らの認識に従って行動することを始めた。何をするべき…

真っ当な作品にメタを放り込む思考実験

メタ的な描写を作品に持ち込むことが、作品にとって良いのか悪いのかという問題が有る。 例えば、絵画を1枚仕上げようというとき。途中まではとても美人な女性を写実的に仕上げていたとしよう。だが、作者はある日、その作品の前に座って描きはじめようとす…

めそめそした模倣

何でも書いて良いと私は自分に言って聞かせるのだがこれがどうしてか難しい いつの間にやら、自分が作るべき作品の期待値は無意識の内に吊り上がっている。そして私が無力感とか、制作活動へ向かうことへの恐れとかを抱くとき、多分そういったことが起こって…

芸術とエンタメ

流行とか常識は同じものを指している。ただ、相対的に持続する時間が常識の方が長いだけである。人が愚かであるか賢明かを判断する1つの指標は、その人の持つ認識が、どれほどの長い期間で通用するかということであろうと思う。作品の良悪もまたそうだ。作者…

映画「No Country for Old Men」を観て 5/5

モスが従った欲求は本能的なものであり、ごく自然なものである。ただベルと異なっているのは、退屈しのぎに怪しいことに手を出さないとか、今自分が持っている生活や資産に満足するとかいった賢明さを彼が欠いていたということである。 ほとんどの現代人とは…

映画「No Country for Old Men」を観て 4/5

ベルは年老いた保安官だが、この世界に「理解できる」秩序を取り戻そうと闘う。しかし、冒頭の彼の語りで言明されている通り、若いころのような燃える情熱はもう失われつつある。彼は事件への介入に消極的だ。理解できない犯人の行動原理に対して成す術が無…

映画「No Country for Old Men」を観て 3/5

カーソン・ウェルズ。彼はどこか調子外れではあるものの、社会欲に突き動かされて行動している。つまり、自らの有能さであるとか、立ち居振舞いの優雅さで人々から高く評価されたいと望んでいるのだ。彼がシガーを雇ったボスと契約を交わした後に言った、ビ…

映画「No Country for Old Men」を観て 2/5

ベルがシガーとの肉薄に至る直前、カフェで別のベテランの警官と話す場面は印象的だった。二人は、近年の理解できない犯罪の原因について「若者が敬語を使わなくなった結果がこれだ」と共感する。つまり、伝統的な価値観を敬わなくなったことが原因だという…

映画「No Country for Old Men」を観て 1/5

アントン・シガーは絶対的な悪である。カーソン・ウェルズが言ったように、人間社会に普遍的な論理から逸脱している。シガーの行為の動機は自らの経済的合理性ではなく、また社会の中で高く扱われることでもない。シガーにとっては、自らの精神的な態度を行…

ソフィストか、ソクラテスか

学問の起源は、中島先生の「社会の中の科学技術」によれば、天文学である、というようなことが書かれていた。詳しい内容は忘れたが、確か天体の運行と時間の関係を調べたり、将来を占うことであったりといったことが学問(科学)の起源である、と言われてい…

音楽活動について

早くも、音楽活動の行き詰まりを感じる。自らの認識や特性が作品に表れているのかどうか、良くわからない。ドラムマシーンの導入であるとか、違った曲調で演奏してみることはくたびれる。だが、既に作った曲を何度も演奏し続けるのは退屈である。また、10代…

認識の扉

真実への認識の扉が開きかけるのは いつも深夜だ 昼は社会的現実、あるいは自分がそう認識している妄想に、自らの意識が支配される時間である 金とは何であり、貧困は何処から来るのか? その歴史的な成立過程を追えば、必ず原始にまでさかのぼるはずなのだ …

経済的循環と個人の精神について(後半)

我々にとって生存上都合がいいとか、安らぐとか、気持ちがいいといった理由で道具は生産されるはずだ。文明は一個人による創作ではなく、多くの人々が道具の断片を作り出し、物理的に、また教育を通して精神的に蓄積してきたものの総体である。だから我々は…

経済的循環と個人の精神について 前半

金や経済が人間によって作られてきたものである以上、それを単なる現象として分析することには限界があるのではなかろうか。消費者や生産者を顔の無い人間の集合とか平均とかでまとめてしまうと、却って人間社会を捉え誤るような気がしてならないのである。 …

俺だけの俺 君だけの君

何をいつどうやっても ダメな気がする こういうときは、自分の生活をデザインしようったって 無駄だ 適当に、自分が楽だと感じる方へ流れるに限る やりたいことを忘れてしまっているのさ 戦略的に、欲張っている 淋しさ、それは、自分の欲求を外へ開けないと…

小説「アンナ・カレーニナ」の結び

小説「アンナ・カレーニナ」の結びは、俺の人生に重要なものを投げかけているという気がする。 信仰と先入観は同じものを指している。これは無意識の中に根を下ろしていて、それを後から理性的に眺めることができ、言語化できる機会がある。 ただし、理性に…

出ていこうとすれば

最近は仕事・酒・性の3つ以外 全て退屈で不安だ 向き合う気力もないから 雑音で生活を満たそうと試みる 仕事が忙しいときは、まあこんなものだ 本当にやりたいことは何か? 自分は今、どうであるか?何であるか? 内観に至るには 時間が足りな過ぎる 喜びと…

TPSからの学び

ある身の周りの状況を 行動することによって 変えようとしても 全く思い通りにはならない。 これが不条理である。 言いかえれば、日常生活からの疎外だ。 本当に何をやっても無駄だという気がする. 日常生活を1つの混沌としてそのまま 気にせず居られたら ど…

異常か日常か

こうして書いていることさえ 俺の一時的な精神異常だと思われんだ そう思った方が都合がいいからだろ 常人から見れば俺は 明らかに変だし異常だよ 異常なもんは異常で片付けて さっさと”治療”すりゃいいもんな そっちの方が常人にとっちゃ 気持ちがいいんだ…

まっすぐに進む

目指す場所があるなら 迷わず進めばいい 辛くても 貴方が希望を与える人がいる がんじがらめになってしまって 何処へも行けないなら 全てを捨てたって そこから出なきゃならない 空虚に思えるなら 何かを疑うことさ 君自身の何かが 腐りはじめているのかも …

知人の結婚式の後

何かをやらなきゃいけないはずなのに 焦るばかりで時間が過ぎてゆく 幾多なる不安と焦りの渦に飲み込まれるのに 誰にもちっともわかってもらえない どれだけ話しても無駄さ こんな気持ちは とても言葉にできそうもないから 漠然とした不安がいつも俺を取り巻…

カントについて

カント曰く、「外的世界そのものを捉えることは、人間には出来ない。」 人間は自らの直観(知覚)を外的世界そのものであると信じ込んでいるのだが、直観が外的世界と一致するという根拠はない。直観=外的世界であるとみなすのは人間の習慣であって、真偽の…

もう悩まなくったって良いじゃないか

もう悩まなくたって良いじゃないか 軽やかに生きれば良い 昼寝て夜起きても 快楽にふけっても 自分を縛り過ぎたんじゃないのか 真当に生きようと だが君はすでに真当だし、 それで十分じゃないか おびえることはない 君を束縛しようとする人々は 既に自分自…

愛すべき兄貴へ

人一倍プライドが高く、それでいて強い劣等感を抱き続けている男だった。 金持ちになるための、モテる男になるためのハウツー本をよく読んでいた。 増大する劣等感に打ち勝つべく、一流を目指していた。 でもね、お前の手に入れようとした金や社会的地位や美…

快楽か理性か

アレもダメ、コレもやっちゃダメ コレはやらなきゃダメと 自分を追い詰め過ぎたりする はたまた アレもコレも有り やりたきゃOKと 眺める間もなく 快楽に耽る コレも又、焦りと恐れを生み出すので辛いものだ 人生はバランスが大事と言っておこう 複雑であり…

5年

はや 5年も 過ぎてしまったか 最近 大学時代の詩を読んでた あの当時の俺の内部世界と 俺を取り巻いてた寒々しい環境がよく出てる 今は書けないな 実感も無いのに書こうとしたら 自ら2番煎じになっちゃう なんとなく悲しい 上手く生きていけそうなことが 俺…

ラブレター

ねえ… 紙の向こうの君よ いつもいつも 俺のうらみつらみを聞いてくれてありがとう 君は 何も言わないね 俺に文句もアドバイスもしないだろう? ただ海のように 俺の言葉を 拒むことなく 聞いてくれる 本当にありがとう 君は… 音楽とはまた違う所に居るのかな…