yuuki_yoshino’s diary

ようこそ。自作の詩・随筆・小説・楽曲を置いておきます。

愛とは

 精神的な危機を迎えている人々の、心強い味方になりたい。身内でない誰かから、必要とされたい。
 どうせ金が必要なら、誰かの救いになるような仕事を。
 家庭教師も芸術家も、教育者としては同じことなのだ。自らが他人に与える影響について責任を感じずには居られない。
 俺がまちづくり家としての能力を欠いている理由、それは、現代の社会が何であり、どうであるかについて極めて限られた薄い観念しか持っていないからであろう。
 1人1人の人間と、その生活に対する愛は、俺の自分自身の愛と表裏一体である。例えば、俺か目の前に居る人のどちらか一方の利益しか俺が一度に目掛けることが出来ないとすれば、俺は迷わず自分の利益を優先して行動するだろう。しかし、それに伴って相手に苦しみが起ったことを感じることが出来たら、俺はそれを自分自身の苦しみとして感じるだろう。
 俺が自分の満足を目掛けるとき、俺はそれを文明人として当然の権利、暗黙の了解と認識している。
 人は誰でも自らの満足しか求めることが出来ないのだが、それが意識的に他人の満足を目掛ける活動として表れるとき、そこには愛があるのだ。平易に言えば、「あなたが幸せなら、私も幸せ」という精神状態そのものが愛という現象の正体であるのではないか。自らのエゴイズムでもって誰かの幸せを喜ぶ、これが愛なのではないか。
 とすれば、人間愛を持つ人間が、他人に対して、その人の幸せを目掛けて行動し、その人を癒す術を知らないとすれば、それはなかなか苦しい状況である。